キャリアコラム
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カジュアル面談とは?面接との違い・聞くべきこと・注意点まで徹底解説

最近の転職活動で注目されている「カジュアル面談」。
企業の採用現場では、選考前にこの形式を取り入れる動きが急増しています。
そこで本記事では、カジュアル面談と面接の違い・企業側の意図・転職者にとってのメリット、注意点までわかりやすく解説します。

カジュアル面談とは?【意味と目的】

転職を考え始めたとき、「カジュアル面談」という言葉を目にする機会が増えているかもしれません。選考とは異なるこの面談は、求職者にとっても企業にとっても「お互いを知るための場」として活用されています。

通常の面接のようにスーツを着て志望動機を語るのではなく、もっとリラックスした雰囲気で行われるのが特徴です。多くの場合、オンラインで30分〜1時間ほど、企業の担当者とフランクに会話する形式が取られます。

この面談の目的は、「今すぐ転職したい」と思っていなくても、企業の雰囲気や働き方について知り、自分に合いそうかどうかを探ることにあります。逆に企業側も、求職者の価値観や興味を理解し、選考前から関係性を築くことを意図しています。

無理に話を進められることは基本的になく、「まずは話してみる」というスタンスでも歓迎されるのがカジュアル面談の魅力です。

選考との違いは?なぜ企業はカジュアル面談をするのか

カジュアル面談と選考の最大の違いは、「合否を前提としないこと」です。履歴書や職務経歴書を提出する必要がなかったり、志望動機を問われることもなかったりと、形式にとらわれない対話の場となります。

では、なぜ企業はこのような面談を設けているのでしょうか?背景には、良い人材の確保に向けた競争の激化があります。

特にIT業界では、優秀な人材は常に複数の選択肢を持っています。だからこそ企業は、いきなり選考に進んでもらうのではなく、「まずは知ってもらう」「信頼関係を築く」といったアプローチを重視するようになりました。

カジュアル面談を通じて企業のビジョンや働き方に共感してもらえれば、その後の選考もスムーズに進む可能性が高まります。お互いのミスマッチを防ぐ意味でも、非常に実用的なステップだと言えるでしょう。

どんな人が受けるべき?断っても大丈夫?

カジュアル面談は、「今すぐ転職するつもりはないけれど、ちょっと気になる企業がある」と感じている人にとって、とても良い選択肢です。特に以下のようなケースでは、有意義な機会になるかもしれません。

  • 現在の職場に漠然とした不安や違和感がある
  • 他社の働き方や価値観を比較してみたい
  • キャリアの方向性についてゆっくり考えたい

一方で、カジュアル面談を受けたからといって、必ず選考に進まなければならないわけではありません。話してみて「今はタイミングじゃない」と感じたり、「思っていた雰囲気と違う」と思えば、丁寧にお断りすることもまったく問題ありません。

むしろ、そうした感覚に正直であることこそが、納得のいくキャリア選択につながります。企業側もそれを理解しており、無理な引き留めをすることは基本的にありません。

カジュアル面談は、情報収集と自己理解を深めるきっかけとして、気軽に活用できる場。あくまで「自分にとって合うかどうか」を見極めるためのものと考えると、気持ちが楽になるかもしれません。j

「カジュアル」は本当に選考じゃないの?よくある勘違いと体験談

「カジュアル面談」と聞くと、「選考とは無関係な気軽な情報交換」と捉える方も多いのではないでしょうか。実際、多くの企業が「選考ではありません」と明記しているため、肩の力を抜いて臨む方が少なくありません。

けれども現実には、「あれ?これ、実質的に選考だったのでは…?」という声も聞こえてきます。名称とは裏腹に、採用の意図がにじみ出る場面もあるのです。

この章では、よくある勘違いや実際に起こった体験談をもとに、カジュアル面談の実態を見ていきます。

採用モードだったケース、違和感を感じた候補者の声(実例紹介)

ある30代のエンジニアは、興味を持った企業から「カジュアル面談にお越しください」と誘われました。内容は会社説明と質疑応答のはずが、実際には履歴書の提出を求められ、キャリアの深掘りが始まったそうです。

彼はこう話してくれました。

「準備もせず、私服で行ったのに、いきなり『これまでの業務で一番苦労したプロジェクトは?』と聞かれて、明らかに評価されている感じがして…正直、構えていなかった分だけ動揺しました」

また別の方は、面談後すぐに「一次選考通過」の連絡が届き、驚いたといいます。

「選考じゃないと聞いていたのに、勝手に選考の一部にカウントされていたようで、モヤモヤしました」

このように、表向きは“カジュアル”でも、実質的に採用フローの一環として扱われるケースは珍しくありません。特に人事担当者だけでなく、現場のマネージャーが参加する面談では、そうした傾向が強まるようです。

面談の名目に安心しきらず、「この会社は何を見ようとしているのか?」という視点を持つことが、後悔を防ぐポイントかもしれません。

面談名称とリアルのギャップを見極める方法

では、カジュアル面談が“本当にカジュアル”なのか、それとも“実質選考”なのか。事前に見極める方法はあるのでしょうか。

判断材料として、以下のようなポイントをチェックしてみましょう。

  • 企業側の説明に「選考ではない」と明記されているか
  • 面談相手は誰か(人事担当のみか、現場マネージャーや役員が出るか)
  • 事前に履歴書・職務経歴書の提出を求められているか
  • 面談の目的が明確に共有されているか(情報提供か、マッチング確認か)

特に注意したいのは、「選考ではありませんが、相互理解のために経歴も詳しくお聞きします」というような文言。これは、建前と本音がズレているサインかもしれません。

また、面談の終盤で「次は面接でお会いしましょう」と自然に話が進むパターンも要注意。すでに選考フローが動き出している可能性があります。

言葉のラベルにとらわれず、「この面談で何が起こりそうか」を自分なりに予測する視点を持っておくこと。それが、納得感のある転職活動につながっていくはずです。

職種別・状況別に考える「聞いてよかった質問」リスト

カジュアル面談や一次面接では、企業側からの質問に答えるだけでなく、自分からも積極的に質問をすることが大切です。それによって、職場のリアルな姿や働き方との相性を見極めるヒントが得られるからです。

とはいえ、「何を聞けばいいのか分からない」「踏み込みすぎて失礼にならないか不安」と感じる方も少なくないかもしれません。

ここでは、職種別・状況別に“聞いてよかった”と感じられる質問を紹介します。自身の立場や関心に合わせて、ぜひ参考にしてみてください。

営業/人事/企画/エンジニアなど職種別の視点

職種によって日々の業務の性質や評価軸、チームとの関わり方は大きく異なります。だからこそ、質問の切り口もそれぞれに最適化されていることが望ましいでしょう。

以下に職種ごとの例を挙げます。

職種 聞いてよかった質問例
営業 「目標の設定はどのようにされていますか?」
「個人プレーとチーム連携、どちらが重視されますか?」
人事 「最近取り組んでいる制度改善や組織課題はありますか?」
「人事発信で変えられたことは何がありますか?」
企画 「新しいアイデアはどのように評価・実行に移されますか?」
「部門をまたいだ調整のしやすさはどうですか?」
エンジニア 「コードレビューの文化はありますか?」
「技術選定は誰がどのように行っていますか?」

これらの質問は、単に情報を引き出すだけでなく、「自分はこの領域に関心を持ち、主体的に働こうとしている」という印象を与える効果もあります。

自分の役割が果たしやすい環境か、将来の成長にとってプラスかどうかを判断する上で、職種特有の視点からの質問は非常に有効です。

初転職/ライフイベント後の復職/慎重派向けの質問設計

転職する理由や背景によって、重視するポイントは大きく異なります。だからこそ、質問も「自分の状況に即したもの」であることが大切です。

ここでは、いくつかの代表的な状況に応じた質問例を紹介します。

    • 初めての転職の方へ
      – 「未経験からのキャッチアップ支援はどのように行われていますか?」
      – 「評価制度はどれくらい透明化されていますか?」

 

    • 育児・介護・病気などライフイベントを経て復職する方へ
      – 「時短勤務やリモート勤務の実績はありますか?」
      – 「休職や中断からの復帰支援について、社内での考え方を教えてください」

 

  • 環境選びに慎重なタイプの方へ
    – 「残業の発生しやすい時期や要因について教えてください」
    – 「入社後のミスマッチを防ぐために、事前に知っておくべき点はありますか?」

これらの質問は、単なる福利厚生や制度の確認ではなく、「自分が安心して働けるかどうか」「長く続けられる環境かどうか」を見極めるための重要な指標となります。

遠慮せずに、自分の立場に引き寄せた質問を用意すること。それは“わがまま”ではなく、“自分と相手を大切にするための対話”です。

面談の進め方とマナー|オンライン・対面別の注意点

カジュアル面談は、転職活動の初期に企業と出会う場でありながら、お互いの印象を大きく左右する重要な機会です。特にオンライン化が進むなかで、ちょっとした配慮や態度が相手との距離感に影響を与えることもあります。

この章では、「感じがよく、誠実な印象」を自然に伝えられるよう、オンライン・対面それぞれのシーンに合った面談マナーと進め方の工夫について紹介します。

安心感をつくる冒頭のアイスブレイク

面談は、最初の空気づくりで印象が大きく変わります。特に初対面であれば、緊張しているのは相手も同じ。だからこそ、柔らかな雰囲気を意識したアイスブレイクが効果的です。

オンライン面談では、通信環境やツールに触れるひと言が自然な導入になります。

  • 「声や画面、大丈夫でしょうか?」
  • 「今日は暑いですね。冷房、効いてますか?」

対面なら、場所や移動の話題をきっかけにするのも良いでしょう。

  • 「オフィスまでの道、分かりやすかったです」
  • 「素敵な空間ですね。インテリアにこだわっていらっしゃるんですか?」

アイスブレイクの目的は“話しやすい空気”を作ること。うまく話そうとせず、相手へのちょっとした気遣いを言葉にしてみることで、お互いの緊張がほぐれていきます。

共感を呼ぶ逆質問の展開パターン

面談の終盤に差しかかると、「何かご質問はありますか?」と聞かれることが多くあります。ここでの“逆質問”は、企業に対する理解を深めるだけでなく、「この人とは気持ちよく働けそう」と思ってもらえるチャンスでもあります。

特に効果的なのは、共感や関心をベースにした展開です。

例えば——

  • 「御社の取り組みに○○という点があり、非常に共感しました。実際に社内ではどういった声がありますか?」
  • 「△△という課題を自分でも感じていたので、どのように向き合っているのか伺ってみたいです」

このように、“一歩踏み込んだ興味”を示すことで、単なる確認ではなく、対話のようなやり取りになります。

逆質問のコツは、「事実を聞く」のではなく「姿勢や背景を知る」ことにシフトすること。相手にとっても答えやすく、より深い関係性が築きやすくなります。

終了後のお礼や連絡はどうする?

面談が終わったあとに、「お礼の連絡は必要?」「何をどう書けばいい?」と迷う方もいるかもしれません。

結論から言えば、お礼の連絡は必須ではありませんが、送ることで印象がよくなるのは間違いありません。特に丁寧に対応してもらったと感じた場合や、次のステップに進みたい意志があるときは、簡単でも構わないので感謝の気持ちを伝えておくのがおすすめです。

以下に、シンプルな文面の例を紹介します。

件名:本日のカジュアル面談のお礼(〇〇より)

株式会社〇〇
〇〇様

本日はお忙しいなか、カジュアル面談の機会をいただきありがとうございました。
御社の△△に対する取り組みを直接伺うことができ、大変参考になりました。
〇〇様のご説明から、現場の雰囲気やチームの温かさが伝わってきて、ますます関心が深まりました。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

無理に“好印象を狙う”必要はありませんが、「会えてよかった」という率直な気持ちを伝えることで、良い余韻を残すことができます。

「働きやすさ」を見極める視点|空気感・リアル・矛盾

転職先を選ぶ際、多くの人が「働きやすさ」を重視します。しかし、その「働きやすさ」は求人票や制度だけでは測りきれないことも多く、実際に接してみないとわからない“空気感”のようなものが影響することもあります。

では、カジュアル面談や選考の場面で、どうすればその「働きやすさ」の“リアル”を見極められるのでしょうか? ここでは表面的な条件だけでなく、深い部分でフィットするかどうかを判断するための視点を紹介します。

社員の受け答えや温度感に注目する

面談の中で印象的なのが、社員の「話し方」や「伝え方」ににじみ出る雰囲気です。制度や取り組みについて同じ内容を話していたとしても、その伝え方や表情には、個々の実感や納得度が表れます。

たとえば——

  • 質問に対して「ええと…」と迷いながら答えるとき
  • 表面的な説明にとどまり、具体例が出てこないとき
  • 良い点ばかりが並び、課題に触れないとき

こうした場面では、「本当にそう感じているのか?」という視点で、一歩引いて観察してみるのも有効です。

一方で、たとえ完璧な答えでなくても——

  • 「実はここはまだ改善途中なんですが…」と率直に話す
  • 「私自身はこう感じています」と個人の実感を交えて話す

といった言葉があれば、現場の温度感や組織文化が伝わってくることもあります。

話す内容だけでなく、「どう話すか」に注意を向けることで、見えにくい部分が浮かび上がってくるかもしれません。

「共感できるか/違和感があるか」の感覚を大事に

「この会社、なんとなく合いそう」と感じたとき、それは自分の価値観と相手の言葉が響き合った証拠かもしれません。逆に、「うまく説明できないけれど、なんだか引っかかる…」という違和感も、無視してはいけないサインです。

たとえば——

  • 「自由な働き方」と言いながら、細かく管理された話が多い
  • 「チームを大切に」と言いながら、個人の成果が強調される

言葉と中身が一致していないとき、人は無意識に“ずれ”を感じ取ります。そしてその違和感は、入社後に「こんなはずじゃなかった」と感じる元になることが少なくありません。

面談や会話のなかで、情報を「正しいか」だけでなく、「自分の感覚とどう重なるか」で捉えてみましょう。

働きやすさは、制度や条件だけでなく、「その空間に自分が自然にいられるかどうか」でもあります。答えは、データではなく自分自身の中にあるのかもしれません。

オンライン&対面で差をつける「共感を生む進め方」

カジュアル面談では、情報収集だけでなく「一緒に働きたい」と感じてもらえる関係性を築けるかどうかが、大きな分かれ目になります。とくにオンライン化が進む今、自分の魅力や価値観をうまく伝えられずに終わってしまう、という声も少なくありません。

そこで大切なのが、受け身ではなく“対話”としての面談にシフトする意識です。この章では、共感を呼び、相手の記憶に残る面談の進め方を具体的に紹介します。

最初の“ひと言”で安心感を与えるアイスブレイク

面談の冒頭は、場の空気を整える最も重要なタイミングです。オンラインでは時差や通信トラブルが発生しがちですし、対面でも緊張感が漂いやすいため、まずは小さなひと言で“安心感”をつくる工夫が効果的です。

たとえばオンライン面談では——

  • 「はじめまして。今日はお時間ありがとうございます。声や映像、大丈夫でしょうか?」
  • 「リモートワークが続いている中で、こうしてお話できるのが楽しみです」

対面であれば——

  • 「すてきなオフィスですね。場所も分かりやすくて助かりました」
  • 「天気が良くて気持ちいいですね。外に出るのが久しぶりで、少しリフレッシュできました」

大げさなことを言う必要はありません。ほんの少し、相手に目を向けた言葉を添えるだけで、自然と距離感が縮まっていきます。

会話をリードする “逆質問の会話展開設計”

共感を生む面談においては、「逆質問」の質と流れがとても重要です。単発で質問を投げるのではなく、会話として展開させることで、より深い理解や信頼につながります。

おすすめは、次のようなステップで設計することです。

  1. 関心のあるテーマに触れる
    「〇〇についての取り組み、Webで拝見しました」
  2. 共感や課題感を伝える
    「自分も過去の職場で同じようなことを感じていたので、非常に共感しました」
  3. 実態を尋ねる
    「実際には、どのように社内で進められているのですか?」
  4. 感想や視点を返す
    「なるほど、トップダウンだけでなく現場の声も取り入れているんですね。それは心強いです」

この流れを意識すると、面談が一方通行にならず、対話としての“深さ”が自然に生まれます。大切なのは、事前の準備よりも、「その場で関係性をつくる」姿勢です。

面談が終わるまでに「応募したい」感情を醸成するステップ

面談を終えたときに、「この会社、いいかも」と自分が感じられるかどうか。それは相手の情報発信だけでなく、自分の関わり方によっても大きく変わります。

そのためのステップとして、以下の3つを意識してみてください。

  • 共通点を見つけて言葉にする
    「私も、働く上で○○を大切にしてきました。お話を伺って、価値観が近いと感じました」
  • 想像を広げてみる
    「もし入社したら、自分の経験をこう活かせるかもしれないと思いました」
  • 前向きな気持ちを少しだけ共有する
    「短い時間でしたが、とても心地よい時間でした。もっと詳しくお話を聞いてみたいと思っています」

こうしたひと言を通して、自分自身の“納得感”が高まり、相手にも好意的な印象を残すことができます。

面談はただの情報収集の場ではなく、“これからの可能性”を感じ取るための出会いの時間。会話の中に少しずつ、自分の感情と関心をのせていくことで、自然と次のステップへとつながっていきます。

企業側の先進施策に学ぶ「選ばれる面談設計」

転職活動において、面談が「ただの情報伝達」ではなく、候補者にとって印象深い体験になるかどうかは、企業の工夫次第です。ここでは、先行する企業の施策から「選ばれる面談設計」のヒントを探ってみましょう。

Personal Bookや会社ビジョンの先行共有による会話質向上

企業によっては、面談前に「Personal Book」を共有するケースがあります。これは、候補者が自分自身についてパーソナルな部分も含めて軽くまとめた“自己紹介資料”のようなものです。ある記事では、入社後に「趣味が同じだった」「出身地が同じだった」といった共通点から話が盛り上がった体験を踏まえ、「その前に知っておくべきでは?」という問いが紹介されています。

こうした共有によって、面談中の会話はより自然でオープンな雰囲気に。共通点から話が膨らみやすくなり、すぐに距離が縮まる可能性も高まります。言葉にしづらい“居心地のよさ”を生むための施策とも言えるでしょう。

複数社員登場型・交流型座談会形式のメリットと設計

また、複数社員による「座談会型面談」を採用する企業も見られます。これは、先輩社員や複数名の担当者が一堂に会し、参加者とカジュアルに話す形式です。この形式には以下のようなメリットがあります──

  • 一方通行ではない、双方向のコミュニケーションが生まれる
  • 企業の社風や雰囲気が自然と伝わる(先輩社員の言葉や表情から感じ取れる)
  • 他の参加者の質問から気づきが得られ、自己理解や企業理解が深まる

こうした多角的なアプローチは、候補者に「ここで働くリアルな姿」を直感的に想像させる効果があり、自分にとってのフィット感につながります。

応募後につなげるためのフォローと活用方法

カジュアル面談は、企業との“出会い”の第一歩。そこから実際の応募や選考に進むかどうかを判断する際、感情や印象を丁寧に扱うことが大切です。面談で得た情報や気づきを活かすことで、志望動機に深みが生まれたり、次の行動をより納得感のあるものにできます。

この章では、面談後の感想整理から、応募へのつなげ方、断る場合の丁寧な対応までを紹介します。

面談後の感想整理と志望動機ブラッシュアップ

面談が終わった直後は、記憶も感情も新鮮なタイミングです。このタイミングで、以下のような観点から感想を整理しておくと、後々の判断や志望動機のブラッシュアップに役立ちます。

  • どんな話題で共感や好印象を持ったか
  • 想像と違っていた点、気になった点
  • 入社後に自分が貢献できそうだと感じた場面
  • 逆質問で得られたリアルな印象

たとえば、「現場の声が直接聞けたのが印象的だった」「働き方に柔軟性があると実感できた」など、面談での“実感”をそのまま言葉にしておきましょう。

この感覚のメモがあることで、後日「なぜこの会社に応募したいと思ったのか?」に対して、自分の言葉で、かつ具体的に答えられるようになります。

断っても印象が悪くならないお礼メール文例と断り方

面談を経て「今回は応募を見送ろう」と判断した場合も、対応の仕方次第で印象は大きく変わります。むしろ、丁寧な断り方をすることで、将来的な再接点や信頼関係につながることさえあります。

以下は、断りの意思を伝える際に使えるメールの文例です。

件名:先日の面談のお礼とご連絡(〇〇より)

株式会社〇〇
〇〇様

先日は、カジュアル面談の機会をいただきありがとうございました。
貴重なお時間をいただき、御社の取り組みや社風について直接伺えたこと、大変ありがたく思っております。

お話を伺いながら自分なりに検討を重ねました結果、誠に勝手ながら今回はご応募を見送らせていただく判断をいたしました。
今後のキャリアの参考として、大変貴重な機会となりましたことを、心より感謝申し上げます。

御社のますますのご発展をお祈りしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

ポイントは、「感謝を伝える」「理由を深く掘り下げすぎない」「将来的な関係性を閉ざさない」の3点です。断ることは悪いことではありませんが、相手の誠意に丁寧に応えることが信頼の土台となります。

Q&A|カジュアル面談に関するよくある疑問を解消

「カジュアル面談」と聞いても、その実態や意味が曖昧で、不安を感じる方も少なくありません。「参加した方がいいの?」「何を聞けばいいの?」といった疑問は、誰もが一度は抱くものです。

この章では、特に多く寄せられるカジュアル面談に関する質問を取り上げ、やさしく丁寧にお答えします。

選考に関係ある?参加しないと不利?

結論から言えば、カジュアル面談は基本的に「選考ではない」とされるものの、実質的には選考に影響することもあります。

というのも、企業側が「話してみて良ければそのまま選考に進めたい」と考えている場合、面談での印象ややりとりが、候補者の評価に含まれることがあるためです。

ただし、参加しないことで「不利になる」ということは原則としてありません。むしろ、自分のタイミングで応募を決めたい、情報収集を整理してから進みたいという気持ちを大切にすべきです。

企業側もそれを理解していますし、無理に乗らずに納得できるペースで動くことの方が、長い目で見て良い選択につながります。

何も質問できなかった…どうすれば?

面談が終わってから「聞きたいことがあったのに言い出せなかった」「緊張して何も質問できなかった」と後悔することは、誰にでもあります。

そんなときは、無理に「次に挽回しなければ」と焦る必要はありません。まずは面談での内容を振り返り、自分が「もっと聞いておけばよかったな」と思った点を書き出してみましょう。

そして、もし企業との接点が今後もある場合は、次のステップや連絡のタイミングで自然に補足することができます。

たとえば、面談のお礼メールに一言添える形で——

「面談後に改めて御社の取り組みについて考える中で、〇〇に関しても興味が湧きました。今後お話を伺える機会がありましたら、ぜひ教えていただけますと幸いです」

といったように、自分の関心を言葉にするだけでも、前向きな印象を残せます。

大切なのは「完璧にこなすこと」ではなく、「自分のペースで関心を深めていく姿勢」です。失敗ではなく、そこに“気づいた”こと自体が大きな前進です。

転職はゴールではなく、あなたの
“幸せ”の手段です。
私たちは大手のような一括マッチングではなく、
何十回でも向き合い、納得いくまで寄り添います。


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